俳優に送る殺陣の重要知識

2.殺陣の初段

Q.では、「殺陣の初段」とは、どんなものでしょうか?

 皆さんは、「日本俳優連合」と呼ばれる団体を、ご存知ですか?
 その連合内に「アクション部会」という組織があり、そこには公認の殺陣師と呼ばれる人達がいます。
 殺陣のライセンスは、この方々が与える決まりになっています。 
 ・・・それぞれが、テレビや映画。商業演劇(例えば●●劇場○○ショー夢の競演のような舞台)や、Vシネマなどでも、活躍をされている方々です。
 生前の林邦史朗はもちろん、この団体の公認の殺陣師でした。

 ・・・さてところで、公認ではない(要するに、この団体に与していない)殺陣師さん、というのも実は多くいらっしゃいます。
 殺陣師(「たてし」・・・時代劇での、アクションの振付などをする専門家)擬斗師「ぎとうし」、つまり現代アクションでの、振付師。刑事ドラマやヤクザ映画など)。
 実は資格とか基準というものが一切ありません
 それぞれが、小劇場での殺陣の振付やらであったり、お祭りであったり、町の小さなイベントであったり、はたまた映像での殺陣の振付の実績がある・・・という人もあれば、そんなモノは一切ないという方でも「誰でも、殺陣師になって、殺陣は振り付けられる」という訳で・・・。
 逆に、その真価を比べてみるなら、一体どこでどうして見比べれば良いのかが難しい・・・というのが、2019年現在の実情だと思います。

●なので参考がてら、以降は林邦史朗が臨んだ「殺陣に携わる者の、一つの基準と考えていた一例」を、ご覧戴ければと思います。 

 殺陣道場総本部での、初段の内容は、以下の通りです。
【現代劇】
 まずはアクションの基本です。
 手刀や、肘の使い方。蹴り方等。
 安全で、相手に怪我させる事なく、効果的にみせるテクニックを習います。
 また、現場で求められる確率が高いという事で、空手もご紹介しています。

【時代劇】
 まずは大事な、礼儀作法・礼法を習います。
 そして、刀法の組み手(1人対1人で、相手の攻撃に反応して攻撃を加えるという、一般的な練習方法)

 また合戦のシーンなどなら、たとえば相手に投げられる事もあるでしょう。
 足を引っ掛けられて、転ばされる事もあるでしょう。
 体が練れていなければ、貴方は思わぬ怪我をするかも知れません。
 ・・・そこで、一番簡単な受身の方法も教わります。

発売当初の、所作編のパッケージ

 さて、今度は人を投げる側になった時。
 体術を知っていた方が断然得な訳です。
 林邦史朗の規定には、合気道(小手返しや肘当て等)の技も、幾つか取り入れています。
 また、あらゆる殺陣に対応できるよう、武道的な足捌きも習います。

発売当初の、現代劇編のパッケージ

 そして現代劇でも、時代劇でも。
 覚えておくと、大変に役に立つ体捌きABC(林邦史朗考案の、殺陣のステップ:30ステップから成る)」を習得します。
 これを覚えておくと、後で殺陣やアクションの振り付けを覚える時に、非常にラクになります。
 以上、簡単に初段の内容でした。

 ※初段以上の内容は、この文字をクリック!

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