・・・あっつい9月ですね~。 (-_-;)
皆様こんにちは、山野亜紀です。
8月は洗濯物が乾かない月でしたが、9月は乾きまくりですね(!)
生きてる実感を噛み締めまくった9月と、あいなりました。
●・・・さて今回は「受け身」について、お話してみようと思います。
・・・というのは実は、こうしてHPを立ち上げてから随分と経つのですが、やっと最近、まったく知らない方からメールを戴くようになったんですね~。
☆♪(^_^)v♪♪☆
それは、「立ち廻りはやってみたいが、受け身が怖い」というお話でした。
・・・確かに、振り返ってみれば・・・私こと山野亜紀も、受け身に関しては真面目に色々とありました★
一口に「受け身」とは言っても。
例えば柔チャンのやっている「柔道の受け身」、はたまた「合気道の受け身」に「少林寺拳法の受け身」・・・などなど。
厳密に言えば、そのどれもが少しずつ違っているのをご存知ですか?
そして・・・ならば一体、立ち廻りの「受け身」というのは一体、どういうものなのでしょうか。 ('_')
「受け身」とは元来、怪我をしない為に行うものです。
スポーツ(武道を含めて)で相手に投げられた時に、何もせずに床に叩き付けられて頭でも打った日には、その人の選手生命は終ってしまいますよね?
ですから選手は、自衛の為に受け身をとるのです。 (^_^)/
例えば、道端で思いっ切り転んでしまった時の事を、イメージして下さい。
つい手を付いてしまえば、手首を挫いてしまいます。
肘を付けば、肘を痛めますし、肩が付いてしまえば、もしも打ち所が悪ければ・・・骨折か、脱臼(!)
そのまま勢いで頭までを打ってしまえば、救急車騒ぎとなるでしょう。
それを防ぐ為にも受け身を取る訳ですが、立ち廻りの受け身は、スポーツのそれとは異なります。
・・・と、いうのは。
スポーツの受け身は、それぞれの技に応じた受け身を取るんですが、立ち廻りの場合ではあらゆる立ち廻りに応じた受けの方法が、求められてくるのです。
例えば「新選組!」の竹刀剣術の稽古のシーンです。
剣道場での事ですから、そこは板の間ですよね。
・・・そこで皆竹刀を振り回して、闘いながら体当たりするは、足引っ掛けて転がすは、突き飛ばすは。
勢い余って、転倒する事もあるでしょう。
受け身の心得のある役者の場合、怪我はまずしません。
ですが下手をするとかなり、痛い目にあうかと思います・・・・・・。
「立ち廻りの受け身」は、板の間でもコンクリートでも、アスファルトの上ででも、・・・どこでも受けを取れるようにと、指導されます。
撮影現場で・・・足下を見て、そこは痛い場所であると、百も承知で受けを取る訳ですから★
たとえば(芝居の中で)殴られたリアクションの後で、その殴られたスピードの中で自分でコントロールする・・・等をしてから(!)
工夫をしてから、最後に痛みを軽くするような受け身へと変えて行います。
ですがその時々で、同じ受け方をしていたとしても、役者は自分が感じた通りのリアクションを求められるわけではありません。
本人が、痛いと思った・・・という現実ではなくて、芝居の中で。
台本に書かれている痛さ(!)を求められる・・・訳ですから。
実は、全然痛くもなかったのに、痛そうな芝居をしてみたり(!)
はたまた、とーーっても痛かったのに、クールに・・・痛くない素振りをしてみせたり★
ベテランのスタントマンでも、現場で青タン拵えて自分でもビックリ・・・という事だって、少なくありません。 (^_^;)
・・・ちなみに、受け身の稽古を始めたばかりの頃の・・・私こと山野亜紀なんですが★
マットの上でやっていたにも関わらず、何故かマットの上から落ちまくって(!)は、青タンをよく拵えたものです。
・・・なので、いつも膝とか肘とかはもう、真っ青★
なので、私はいつでもサロンパスとは、お友達だったんですね。 (^_-)-☆
さてずいぶん前になりますが、殺陣師の新実氏(あたらし・みのる:林先生の弟子)に聞いたお話です。
・・・新氏は殺陣師であり役者でもありますが、スタントもなさるそうなのです。
それはずいぶんと前のお話になるんですが、崖の上から落ちて自殺する・・・というシーンの撮影での事でした。
その寸前までは役者が演じて、肝心の所で新氏が入れ替わり、掛から飛び降り・・・ては、彼は死んでしまいます★
なので、水を張った池(このシーンはスタジオ撮影なので、そこは水深30センチしかないセット★)に落ちる事となったのです。 (-_-;)
・・・水深30センチで飛び込んだら、すぐに床に激突ですよね?
ですから、水の上で受けを取るのです。 (^_^)/
現在では、禁止されている場所が多いのですが、水泳で「飛び込み」をした事ってありますか?
これで失敗をすると、水面にお腹とか叩き付けられて(!)とってーもっ、痛い思いをした事って、皆さんはないでしょうか・・・?
・・・俗に言う「腹打ち」って奴です★
ちなみに、私こと山野亜紀も小学生の頃は、よくやりましたよ、この失敗・・・。 (^_^;)
さて「水の上で、受けを取る」というのは、全身この、腹打ち状態(!)になる・・・って事なんですね。
飛び込んで死のう、と思う位の高さからやる訳です。
ですがそこはセットなので、大体高さが2メートルから3メートル位。
その位置に役者は立つ訳ですから、目線の高さはプラス身長分という事になります。
そこから落ちて、もしも失敗なんかしたら。
・・・痛いなんて事では済まされない、大怪我になってしまいます。
崖から飛び降りた芝居の流れでしかも、水面に全身を真っ平ら(!)にして、受けを取る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
私は思わず、新さんに聞いてみました。
「・・・もしかして、(大ベテランの新さんでも!)痛かったですか・・・?」
新氏は、事も無げに一言。
「痛いよ」
・・・新氏の、名言です。(これは仲間から聞いた言葉なんですが★)
「受け身は痛いよ、怪我はしないけど。怪我はしないんだけど・・・やっぱり、受け身は痛いよ」