その長きに渡る殺陣師人生で、林邦史朗が現代武術はもちろん、古武術に至るまでの・・・各流派の心技と歴史を研究し、より合理的に、実戦的にと纏め上げた日本で一番新しい剣術が、「林流真剣刀法」です。
「初之巻」では、日本刀本来の「斬る事を主眼」にした「真剣刀法の初級編」です。
日本刀は侍の象徴であり、林流の映像はまた「演武をする方を対象にして」います。
なので、この巻では「侍について、知っていても良いと思われる資料のすべて」と、また真剣試斬については、ただ斬るだけの「据え物斬り」のみの上達方法を、あらゆる角度からご紹介をしています。
林邦史朗の作品は、すべて林が開発した独自のステップ「体捌きABC(刀法では、Aのみ)」をベースに説明がされていますが、もちろんそちらの紹介もありますので、安心して真剣試斬演武の窓口をどうぞ、こちらから開いて見て下さい。
●『林流・真剣刀法のすべて~初之巻~』の収録内容● | |
---|---|
(侍の作法・・・戦国時代の作法) | |
1.座り方 | 現代と戦国時代では、もちろん「座り方」から違います。 戦国武将の座り方をまず、ご紹介致します。 |
2.控えの姿勢・略式の姿勢 | 武士は、殿様など身分の高い人の前では、現代人のように大らかな姿勢は、取れません。 ・・・それで平素は控えているのですが、戦時中などの急の折には「略式」で。 それ以外は、普通に控えているのですが、ご存知でしたか? |
3.丁寧な挨拶・略式の挨拶 | 武士同士で挨拶をする時には、身分によって挨拶の仕方が違います。 時代劇で、結構よく見かける仕草なので、見て納得(!)という挨拶の仕方です。 |
(江戸時代になってからの侍の作法) | |
1.正座・安座~正座から安座への変え方 | 現代の正座の作法が確立したのは、三代将軍家光の頃と言われています。 戦国時代が終わって、ようやく平和な時代が訪れたので、武士も「作法」を作る余裕が出来たという事でしょう。 「正座」は、現代の正座と同じもの。 「安座」はそれを崩したものです。 ・・・それでも、武士(武家娘)らしく見せる為には、一工夫。 立ち上がらずに、正座から安座へと足を組みかえる方法を、説明しています。 |
2.正座の方向転換 | 現代人は、手を付いたり、体制を崩して方向変換をしますが、江戸の時代ではそれは、「だらしなくて、無礼なる振舞」とされています。 たかが方向変換でも、この時代には見目良く、こんな方法で行われていたんです。 |
3.略式の挨拶 | 急の折など、正座ではなく「略式」で用件を殿様に申し上げる事もありますので、その作法の説明です。 |
4.正座をする時の、足の組み方 | 侍は正座をする時、足の指を重ねません。 侍の作法には、「不覚をとらぬ心得」が満載です。 |
5.膝行(しっこう) | 現代と違って、目上に人の前で立ち上がって相手を見下ろしたり、許されてもいないのに顔を上げたりしたら「無礼者の行い」とされました。 殿様のお側まで行く為には、この「膝行」という方法でしか近寄れません。 これが結構、初心者にはシンドイのです。 |
6.擦り足(歩行) | 現代とは履物も違いますから、歩き方も全く違うのです。 日本舞踊など習っている人には、割合慣れた動きかもです。 |
(刀の扱い方) | |
1.刀の持ち方 | 武士が刀を持つ時、自然に行う仕草の紹介です。 言われれば成る程とは思いますが、なかなか体には定着しない仕草かと。 |
2.刀の帯び方 | 袴を穿いてからの、帯刀の仕方の説明です。 帯の何枚目にまず小刀を挿して、など。 一般的な方法で紹介をしています。 |
3.刀の置き方 | 外出を終えて、自宅に帰った時に行う、刀掛けなどに刀を置く作法です。 なんだ、そんな事という所でしょうが、知っているといないではやはり、雲泥の差、という所でしょうか。 また、刀を立て掛けておきたい時の方法も紹介しています。 |
5.下げ緒の使い方 | 刀の鞘の「下げ緒」は、ただの紐ではありません。 …実は、「使える」んです! 襷・鉢巻に使うのは勿論ですが、(ここでは、襷・鉢巻の仕方も紹介しています)、敵を制するのに使うのは勿論、捉えた罪人を縛りあげたり、捕縄のように使ったり、忍び込む道具にさえなります。 ・・・他では見られない、林流ならではの「下げ緒術」を、一挙公開! |
8.刀の背負い方 | 江戸時代以降の武士は、それまでとは違って(太刀といって、腰に吊ってました)、刀を帯びるようになりました。 ここではまず、正しい刀の帯び方と、刀の背負い方を紹介しています。 また、刀の受け渡し方法や平素の刀の持ち方などなど、刀に纏わる作法についても、詳細に説明をしています。 |
9.抜刀の仕方 | 抜刀の仕方は、鞘に逆らわずに抜く方法が3種類あります。 その他、「逆抜き」などの特殊な抜き方も、ここでご紹介をしています。 |
10.抜刀妨害対処法 | 自分の腰に帯びている刀を、敵に奪われそうになった時! 侍は一体、どのように対処をしたのでしょうか。 簡単な体術を、幾つか紹介しています。 |
11.柄握りの方法 | 基本的な事ですが、正しい刀の柄の握り方を、ここで紹介しています。 「柄握りの極意」をまず、初之巻で体得してしまって下さい。 |
12.柄と鞘での戦い方 | 「刀の下げ緒」は勿論のこと、抜刀しなくても日本刀は、存在自体が武器です。 侍は戦いにおいて、この武器を最大限に活用してきました。 実際に刀を抜かなくても、相手を制する・・・。 鞘や柄が、一体どのように活躍をしているのか、ご紹介します。 |
13.「血振り」の方法・「納刀」の方法 | 例えば、北辰一刀流の道場に行けば、その道場では「その流派で定められた、血振りと納刀の形」で行います。 ・・・でもせっかく演武で見せるなら、たった一種類の血振や納刀だけではつまらないですよね。 ここでは、様々な血振りや納刀の方法を学んでおけば演武の幅が広がります。 |
14.体捌きの方法・体転の方法 | 林流の全ての基本、武術のステップ「体捌き」を、ここでは(「左半身」「右半身」「左入り身」「右入り身」「左裏入り身」「右裏入り身」)の6種類、ご紹介しています。 これを会得すると、振り覚えが格段に良くなります。 また「体転」とは文字通り、「体を転ずること」です。 「右体転」と「左体転」があり、実際にどのように使われているのか、丁寧に紹介をしています。 |
15.基本八種 | 真剣試斬で、一番の基本となる斬り方の方法を、8種類紹介致します。 安全で、カッコ良い形がとれるよう、稽古をしてみて下さい。 |
16.袈裟斬りの極意 | 袈裟斬りは、真剣試斬の基本となる斬り方ですが、同じ左袈裟斬りでも、林流では5種類に斬り分けます。 普通に刀を斜めに振り降ろして斬るのが「袈裟斬り」ですが、その他「押し斬り」「引き斬り」「たたっ斬り」「捲り斬り」と、計5種類に分かれます。 どうぞ、挑戦してみて下さい。 また、ただ斬るのではなく、「どういうのが、正しい斬り方なのか」など、詳しく紹介しています。 |
17.逆袈裟斬り | 真剣刀法では、まず「袈裟斬り」を会得したら、今度は「逆袈裟斬り」。 俗に言う「斬り上げ」の練習に入ります。 「袈裟斬り」より抵抗が大きくなるので、難易度が上がります。 |
18.水平斬り | 逆袈裟斬りを会得したら、いよいよ奥伝の技の「真横水平斬り」の稽古になります。 真剣試斬では、一番抵抗が強くなるので難しいのですが、挑戦してみて下さい。 |
19.刃筋と角度 | 基本の斬り方を覚えたら、その完成度を高くする事を、目標にしてみましょう。 「正しい斬り方」について、説明をしています。 |
20.真剣試斬の注意点 | 巻き藁の高い部分を斬る、自分の膝より低い位置の藁や竹を斬るには・・・などなど。 安全な試斬の方法を、ここでは改めて紹介しています。 |
21.試斬の稽古方法の色々 | 試斬でよく使われるのは、青竹(斬ってすぐの、真竹の一年物が良いと言われています)や、藁(現在は、畳表を巻いて水に浸したもの)が一般的ですが、それらがなくても、こんなものでも練習出来るんです! |
収録時間 58分/税抜価格 6,500円 指導・解説/林邦史朗 制作/林流・殺陣道場総本部 武劇館 発売/㈱明道社内 オフィス・リバティ