エッセイ集

第33話 殺陣のお稽古★~2月(2005年)

 林邦史朗先生のお考えで、劇団ひまわりでは初の試み「林邦史朗の殺陣講座」必修科目となりました♡
 最近の私こと山野亜紀は、色々な養成所やらプロダクションのHPを勉強しているのですが、殺陣が必修科目の養成所って、あんまりないみたいなんですね。

稽古風景:琉球古武術の棒の下段突き

 ・・・思えば、こちらでの殺陣のレッスンがスタートをしたのは、木・金とまたがっての・・・2コマのレッスンから始まりました。
 その後、人が減ってしまったので1コマとなり。 (^_^;)
 しばらくしてから、また今度は人が増えてしまったので再び2コマへ。
 ・・・で、昨年(注:2004年)10月から「必修科目制」に変って、3コマから4コマへと増えて行き、現在またもや増えて・・・結局は6コマとなりました♡ 
 私も頑張って、受身の稽古やら打ち込みやら、林先生がされそうな稽古を・・・こちらでも代理で努めております。 (^_^)v

●ところで、劇団ひまわりは、JRの恵比寿駅周辺にあります★

劇団ひまわりは、小劇場を併設する大所帯に。

 実は、林邦史朗先生が初めて通われた劇団というのが(当時はまだ、別の場所にあったそうですが)、この劇団だったそうなんです。
 林先生が通ってた当時は、まだまだ場所を借りてやっているような感じだったそうですが、それがご縁で(!)
 林先生は「殺陣のレッスン」を始める事となったそうなんですが・・・殺陣やアクションを売りにしているプロダクション以外は、立ち廻りを必修にしている所は無いみたいですね。

 林先生はよく、「立ち廻りはお芝居だ」と説明しておられるのですが。
 役者さんの中には、『芝居』は良いけど、「立ち廻りは苦手」という方や、やる前から「立ち廻りは無理!」と諦めている方も・・・いるらしいです。 (^_^;)
 こうして「必修科目」にしてみても、レッスン生の中にも・・・その傾向が見られる事もありますが、なんとか、馴染みやすい方法はないかなぁと只今、模索中です。 (^_-)-☆

●さて、久し振りに稽古場のお話などを致しましょう☆

ラスト・サムライには、知り合いが数名、ロケに出掛けていきました

 さて、林邦史朗先生が仕事で稽古を付けることが出来ない日・・・なんですが★ 大抵は、竹田寿郎(ひさお)氏が代わって付けて下さいます。(注:この方は2013年に亡くなられました) 竹田氏は、映画「ラストサムライ」のCM放映時に、主役のトム・クルーズの隣りで馬を駆っておられた方で、林先生のプロダクションの大ベテランさんなのです。 ・・・竹田氏の稽古は、林先生のものとは、また違います。

 林先生の稽古では勿論、林先生の振付での立ち廻りの稽古が多くなりますが。 竹田氏の場合は、ご自身が役者さんですから(林先生も、そうなんですけど★)、人様の付けた立ち廻りを覚えておいて、私達門下生に体験させて下さったりも、するのです♡

●今年(注:2005年)NHKでは、大河ドラマは勿論、お馴染みの金曜時代劇の他に、水曜日に時代劇を1本放送するそうです。

 「柳生十兵衛七番勝負(村上弘明氏・主演)」がそれで、この作品では久世氏が立ち廻りを付けておられますが、竹田さんもこの作品に出演しておられるので、実際に現場で振付けられている立ち廻りを、私達に体験させて下さいました。
 例えば、同じ役でも役者が違えば、全然違ったものになるように・・・立ち廻りも殺陣師が違えば、振り付けのあり様も様々になるらしく・・・。
 竹田氏が、「久世氏の、立ち廻りの振付け方」からその「技の特徴に至るまで」色々と、丁寧に話して下さいました。 (^_^)v

 

 ・・・ちなみに私こと山野亜紀は、女性なので・・・現場での立ち廻りの仕事は、男性に比べてグッと少ない訳ですが★
 そんな風に、実際に現場であった話などをして下さると、殺陣やアクションの撮影現場もしみじみ、ホントに様々なんだなぁと思います。 (゜_゜)

 あと、殺陣の付け方もやっぱり、さまざま・・・。
 林先生はやっぱり、リアルな殺陣、武道のエッセンスを取り入れた「無駄の無い動き」がお好きなようですが。
 久世さんのものは、林先生だったら「こんな無駄なことは、しないっ!」・・・と言う所でしょうが、その刀の廻し方であるとか、格好つけがたいものがあって、それもまた楽しいですよね♡

 さて林邦史朗先生のプロダクションでは、金曜時代劇の「御宿かわせみ-第3章-」と、その「柳生十兵衛七番勝負」に大河ドラマの「義経」の撮影とあって、わりに忙しい日々を送っているのですが、私も今はその仕事を手伝う事もあります。 
 林先生の稽古場に通うメンバーには、林先生の関わる現場に参加する人もいますが(!)
 新人は余り使われませんし、参加メンバーがどの程度のレベルなのか先生から聞かれる事もあります。
 ・・・たとえば「かわせみ」などでは、市井物なので、捕り方や同心役に割り振られる事が多いのですが、こちらは現代劇とは違うので、基本が出来ない方はまず外すしかない訳なんですね。

●さてところで今晩、いよいよ「義経」の五条の橋のシーンが放映されます♡

高萩海岸でのロケ風景

 私は林先生に選ばれて滝沢秀明氏の殺陣の特訓に参加(!)をしておりました。
 第1回目の特訓からご一緒させて戴いていた訳ですが、その当時から・・・演出家の黛りんたろう氏からいつも、五条の橋の回の話にかける情熱やら意気込み、心意気を知っておりましたので、放映をとても楽しみにしておりました。 (^_^)v
 ・・・ホントは、CGで桜の花びらを演出したかったそう・・・なんですが★
 コストの関係で、止められてしまったのだとか。(T_T)
 でも、ホントは(この部分が)CGで見たかったなー・・・と思う私でした。

 だって、黛さんの当初の演出方法・・・って。
 弁慶が薙刀で義経を追った時、義経は六法飛びをして逃げる訳ですけど、薙刀で斬りかけると、義経はジャンプして逃げる折には、弁慶の目に映るは、ひとひらの桜の花びらが・・・。
 それを、やっきになって弁慶が追えば追う程、義経の姿はすでにそこにはなくて、ただただ・・・その飛び去る風が運ぶ一片の花びらが舞っている・・・っていう、すっごく美しいシーンだったんですぅーーーっ!!

●一片の花びらは結局、超・膨大な桜の花吹雪に変った訳ですけど。

矢が当たったリアクションの稽古。義経にはどんどこ、こんなシーンが使われます

 滝沢さん曰く、弁慶の姿が桜吹雪で見えなかったそうなんですが★
 でもっ(!) やーっぱりその部分は、CGで見たかったーーーっっっ!!!

 「義経のリハーサル」には、私もお手伝いさせて戴いているんですが、とても勉強させて戴いています。
 ・・・滝沢さんは、スポーツウェアの上に浴衣を着込んで、リハーサルをされています。
 時代劇のリハーサルでは、皆さんが浴衣姿なので、浴衣の着れない役者サンは困りますよ。
 さてさて「義経の五条の橋」は、林先生もお勧めの1回です。
 みなさんで、楽しみましょう。 (^_^.)

山野亜紀エッセイ・目次は、こちら!

関連記事

  1. 第60話 NHKは「ディープピープル」!~6月(2011年)
  2. 第31話 あそこへ行きたい!~12月・後篇(2004年)
  3. 第13話 お江戸の作法教室・始末記(その2)~12月前篇(200…
  4. 林が研究した剣術・柔術などの目録とは
  5. 第37話 そこは現場・・・★~6月(2005年)
  6. 第21話 「鎧」と「武道」のパフォーマンス☆~6月・前篇(200…
  7. 第53話 「2008年・春のアレコレ」~4月(2008年)
  8. 第十五話 「父」と「息子」
PAGE TOP