エッセイ集

第21話 「鎧」と「武道」のパフォーマンス☆~6月・前篇(2004年)

 今はもう、夏・・・★ そして私の部屋の温度は何と、32度の暑さなんです・・・★
 冷房は、・・・とっておきの時の為にとってあるので、汗を拭き拭きパソコンに向かう・・・私こと山野亜紀です。
 いよいよ九州では梅雨入り、まぁその内イヤでも冷房のお世話になる事でしょう・・・。

実は、ナイアガラ・フォールズにも、行っていました★

 はてさて、例のアメリカ行きの準備の為に、遅れていた迷作「風太郎シリーズ」もどうやら、やっと再開の運びとなれました★ (^_^;)
 ホッとした所でまた、くりくりと日々を送っております私です・・・。
 ・・・さて今は、来年の大河ドラマに向けて、甲冑での立ち廻りの稽古が始まっています(!)
 来年のNHK大河ドラマはなんと、源義経
 そして主役はタッキーこと、滝沢秀明さんなんです♡

●・・・実は、1999年のNHK放送「元禄繚乱」の折でも、出演者に向けた殺陣の特訓に当時の私も、参加をしていました♡

 その当時の滝沢さんは、吉良上野介の息子さん吉良義周を。
 そして今井翼さんが、大石内蔵助派の四十七士の一人、矢頭右衛七を演じていらっしゃったのですが・・・。
 ・・・その他に、松本潤さんも参加していたようですが、結局彼はその時点では出演をせず、「嵐」として堂々デビュー☆
 当時の私も林先生も実は、ジャニーズJr.なんて、全く判っていなかったので、
「すごい人気なんだってねー」
とか、のどかに言われて・・・今井さん。ただただ、にっこりと笑っておられていたのでした。 (^^ゞ
 その後で「タッキー&翼コンビ」が、発足をした訳ですね♡

今振り返っても、義経は美しいシーンが多かったですよね☆

 実は今回、初めて滝沢さんの手を取って稽古の相手を務めた・・・私なんですが、滝沢さんって、さすがに凄いんだなぁと感心を致しました。(汗)
 集中力がやっぱり、まず違いますし、踊りを長くやっておられるお方ですから、振り覚えも速い(!)
 1度注意した事なんかもすぐに直るし、ひたすらグレイト!・・・というしかないようなお方でした。
 いやもう・・・タレント養成所に来る人たちとはもう、一味も二味も違うと、しみじみ感心をした私でもありました★

●それにしても、来年の大河ドラマは大変そう・・・。

 鎧は鎧でも大鎧と呼ばれる物で、重いわ、大きいで、甲冑の立ち廻りはと言えば、体力勝負・・・という所があります。 (゜_゜ )
 そして林先生は来年(注:2005年★)に向けて、現在の柔道の原形でもあるという之内(たけのうち)流・柔術の稽古を始められました(!)
 ・・・これは、古武道と呼ばれているもので、美作国(みまさかのくに:現在の岡山県北部) で天文元年(1532年)に成立した武術なんだそうです。

鎌倉時代には、こんな大鎧が大活躍!

 さて甲冑というのは、裸に直に着る訳ではありません(!)
 なのでまずは着物の上に、直垂ひたたれ:侍の着ている、上衣と袴のセット)を身に付けて。
 それから・・・防具としての小手や脛を付けた上で、最後に胴や背中を守る鎧を付けて兜をかぶるのです。
 そしてまだ戦場が遠いなぁ・・・という折には、何しろ重たい(!)ので、まだ鎧と兜は付けない状態で行動をしていたのだとか★

 さて鎧と兜以外の装備の事を「小具足(こぐそく)」と呼びます。
 そしてここには、腰の廻りに差している小さな道具(短刀)も、含まれているからなのでしょうか。
 その短刀を使って行う体術の事を、小具足または腰廻(こしのまわり)の術と呼んでいます。

●・・・ちなみによく流派、流派と言いますが、武術の世界でのこれは「総合武術」の意味になります。

 竹之内流の場合では、小具足(短刀術)破手(立ってでの投げ技が多い:柔術)棒術斎手(剣術)薙刀鎖鎌その他もろもろ☆
 大河ドラマ「新選組!」で有名な天然理心流にだって、実は・・・薙刀術から手裏剣から、棒術に体術は勿論、馬術に砲術、水練(水泳術)なんてのも、あるんですね♡

こちらが、小具足状態

 ちなみに「流派」を英訳してすると、SCHOOL(学校)なんだそうですが、何となく・・・言い得ているような、いないような★
 武道はMIRTIAL ARTSだし、・・・でもMIRTIALってっていう意味だし・・・なんて、最近英訳では、悩みまくっている私なのです・・・。 (^_^;)

 

 ところで、前回から引き続いてのボストンでの例の・・・私の一人パフォーマンスについて、なんですが★
 色々英単語は準備していったのですが、結局現場で、全く違うパフォーマンスにしてしまった為に、そのほとんどが役にも立ちませんでした・・・。 (T_T)

 ・・・現場で手伝って下さった、ボストン留学中のT嬢も大変です・・・。
 彼女からしてみれば、武道のパフォーマンスってのは、いわゆる例えば「突く」であるとか、「斬る」や「投げる」といった行為だったのでしょうけれど、私が彼女の知り合いのアメリカ人の皆さんの前で披露をしたのは(!)
 ・・・体術は勿論なんですが、武士の所作に関するショーだったからです・・・★

侍の所作とは、まずお辞儀から♡

 事前にこのHPを読んで欲しい旨は、伝えてはあったのですが・・・T嬢(!)
 ケンブリッジ英語検定の試験勉強にとても忙しく、全部は読んでいなかったのでしょうね。
 日本語などより、英語を読むのに忙しかったのだと思います。
 
 また会場の天井が低いので、「立ってでの、刀のパフォーマンス」全面的に無理だった事もあります。
 何しろ、私のその場限りのショーの英訳に、弱りきっていたT嬢ですが、彼女が渡米したばかりの頃には、たくさんのアメリカ人に・・・日本の文化を色々と聞かれてしまい、やっぱりっ、あんまり答えられなくって、弱りきっていたというお話でした★ (^_^;)

●・・・何しろアメリカと言う国って、独立して300年くらいですよね。

エンパイア・ステートビルから見た、NYの夜景☆

 移民の国のですから、お互いを知る為にも・・・という事のようで、まずは一番に自分達の持つ文化をまず、勉強をするのだそうです。
 それから初めて、相手と自分達の文化や歴史が、何が違うか・・・などと比較をして(!)
 それで、互いのそれを尊重し合う・・・のだとか★
 大変なのね・・・・・・・・・。 (+_+)
 
ちなみにT嬢は、それほど日本の文化には興味を持っていなかったので、ほんとにあんまり説明が出来なかった・・・とのお話でした。 (´。`)

●・・・・・・確かに、振り返ってみれば何ですが★

 我が家でも、昭和一ケタ産まれの母がやると言うから、お盆でも、お正月もそれなりにやりますが(!)
 別に、そこまでマジメにやらなくったって、何にも困らないこの国、日本です・・・★★★
 よく時代劇で、「世間様と同じ正月をしてないと、恥ずかしくって・・・」 
 なーんてシーンがありますが、今ではもう、そんな文化はあんまり残ってもいませんような・・・。 

 お正月といえば、お節料理についてでさえも、私の母が少女の折(昭和一ケタ当時・・・★)には、その土地土地の食材を使って、その家風での味付けで、美味しく整えるのが・・・女の腕の見せ所であったのだ・・・そうですが★
 今では、自分で作らなくったって、コンビニでいくらでも買えてしまう時代です・・・。 (^_^;)

●・・・アメリカの方は、他人の国を知ろうとする、文化がある・・・?

私の右にいるのが、T嬢♡

 それでは、という事でまず私が見せたのは、簡単な護身術から。
 ・・・嫌な奴に手を取られたりしたら、逃げる方法。
 痴漢という英単語が、判らなかったりして困ったものの・・・とにかく「痴漢撃退法」(!)
 後ろから急にしがみ付かれた時の、対処の法・・・等々。
 一応の時間が30分という事で、護身術はこのくらいで、次には刀の方のショーに移ります。
 刀の名称を説明して、納刀の方法を幾つか紹介してみます。
 ・・・ちなみに抜刀は、天井が低い為にあえて紹介をしませんでした。

●それから、「風太郎シリーズ」でもご紹介をしている武道礼を、披露してみました♡ 

 ・・・うーん、私にとってはこれって、これこそ、侍文化だぜーーーっ!・・・て、思っていたから・・・なんですね★

 ところが実は、この辺りでもうすでに、T嬢の和文英訳が限界だった・・・??? 彼女曰く、彼女自身がまず「へーーーー・・・」と思うのにもう、精一杯でっ。 頭の中が、私の言葉を英語するまでにはもう、辿り着けなくなってしまっていたのだ・・・そうで★ ・・・そんな訳で、その後は私の身振り手振り(!)と、日本語と、カタコト英語パフォーマンスが続きました。 (^^;)

●私が座礼をしている間に、背後から刀を奪おうとして欲しいとT嬢に、お願いをしました。

その紹介は、こちらに収録♡

 鞘はT嬢に持っていかれてしまいますが、中身(刀身)はこちらの手に残っている・・・というこの、刀のパフォーマンス。
 外国の方の目には、武道礼が・・・サムライが、ただ何の準備もないままに、漫然と正座で礼をしているとしか映っていないだろうな、と思っていた私でしたので、実は武道礼には、ホントにたくさんの意味が隠されているんだよー。 (^_^)v
 隙があるようでいて、全くないのだ・・・と、苦心をして説明してみました。

 最後に一発だけ「座り居合」をしようと思って、香取神道流の「草薙の剣」にしてみました。
 ・・・香取神道流の居合は、実戦向きとはチョッと言い難いところがありますが・・・いかにも日本独特の雰囲気があるなぁ~と、私自身は思っております・・・。
 ですが、足腰弱い現代人には、この居合をやるのはホントはちょっと大変なんですが★
 それだけに、ちょーっと格好付けがたい魅力があります♡ (^_^)/
 居合の座り方も現代の物ではなく、旧式の座り方で行いました。

NYのグランドセントラルターミナルで食べた、生牡蠣は、ケチャップつけて食べるのが新鮮でした★

 日本から持って行った手裏剣を投げてみせたり、最後には・・・和服の帯の締め方、袴の穿き方などを披露をして、パフォーマンスは終了しました。
 ・・・で、観客の反応は・・・・・・・?
 私は、パワフル(!)で。
 そして 足が綺麗・・・☆ と、いう事です・・・?????
 (注:「袴を穿き方」のショーだから、一度穿いていた袴を脱いで、再度着付けて見せている訳で・・・★)
 その時に見せた足が、ものすごーーっくっ、魅力的であったという事らしい・・・?

 ・・・そんなトコより、もっと違うトコを見て欲しかったです・・・、ガックシ☆

山野亜紀エッセイ・目次は、こちら!

関連記事

  1. 第46話 空気はタダ、笑うのもタダ!~11月(2006年)
  2. 山野亜紀エッセイ・目次(全60話)
  3. 第41話 「合戦」はやっぱり、馬ですね☆~11月(2005年)
  4. 第13話 お江戸の作法教室・始末記(その2)~12月前篇(200…
  5. 第三話 武士(もののふ)の行く道
  6. 第1話 2002年稽古納め~12月(2002年)
  7. 第47話 「お富サン」の三味線~2月(2007年)
  8. 第28話 「名古屋」に行った私☆~11月・前篇(2004年)
PAGE TOP