祝・萬エッセイ、第50話ーーーーーーーっ!!!!!
・・・2003年7月からスタートをして、はや4年(!)
よくもまぁ、こんな大台にまで乗ったもんだ・・・と感無量な・・・私こと山野亜紀でございます・・・。 (T_T)
・・・我ながら毎度毎度、ネタがない、ネタがないと叫びつつも、まぁ・・・さしたる感想を戴く事でもなく、カウンターが画期的に上がるでもなく・・・また、さしたる飛躍をする事もなし★
でもまぁ、地道にやってれば、こんな事も出来るんですねぇ、感慨。 (゜ _゜)
昨年(注:2006年)9月からは、NHK大河ドラマ「風林火山」の撮影も始まりまして、ロケに継ぐロケの嵐でございました。
・・・ロケ地は主な所で、栃木や群馬、猪苗代湖と続いて・・・ついには長野まで飛んでいたんですが、・・・実はその頃。 (^_^;)
私にとっては、実の母親を亡くしたという・・・まさにその時でもあった訳で、でも東京には男達は出払っていて誰もいないしで、私は告別式の翌日にはもう、殺陣の代理講師の仕事で飛び回っておりました。
・・・お蔭様でまぁ、その時は稼いだ、稼いだ、稼いだ・・・。 (^_^)v
転んでもタダでは起きない、私でございます・・・★
●そして今年は、「風林火山」の撮影終了となって、現在は来年の大河ドラマ「篤姫」の撮影が始まっています。
「篤姫」の原作は、宮尾登美子さん。
数字の「一」と書いて「一(かつ)姫」と読むのだそうですが、この方は薩摩藩は島津家の分家生まれで、江戸幕府の第13代将軍である徳川家定(いえさだ)の正室となった・・・女性なのだそう。
ところが家定は・・・病弱であった為に、なんと彼女が嫁いで約1年半後には、亡くなってしまうのだそう・・・。
そして篤姫はわずか、23歳で落飾(!)
「天璋院」と呼ばれるようになるのだそうですが、そんな男っ気のない人生は、私はあまり送りたくはないなぁ・・・★ (^_^;)
瑛太(えいた)さんという俳優さんが、これまた大河ドラマ初出演なのだそうで、この方と「篤姫」撮影に向けて、何度か一緒に「薩摩示現流」を学ぶ事になった・・・訳ですが★
それは・・・西郷隆盛や大久保利通サンも、薩摩示現流を体得していたようですが、私は初めて知ることになったのは・・・実は薩摩の地には、「上士」と「郷士」という身分制度があり(!)
・・・そして、それぞれ「薩摩示現流を名乗って!」はいるんですが、上士と郷士では、それぞれに習得する流派が実は、全然違うという事だったんですね★ (-_-;)
●瑛太さん演じる、肝付尚五郎(きもつきなおごろう)役は。
のちに・・・小松帯刀(こまつたてわき)と名乗るようになりますが、薩摩藩では彼の家は、上士の家柄に当たります。
若くして薩摩藩家老になる方だそうですが、あの坂本龍馬とも縁が深く、史実にもある薩長同盟も、京都にある小松邸で結ばれたのだとか。
そんな格式ある家柄に産まれた肝付氏は、もちろん「上士が習得するという東郷示現流」を、幼い時から学びます。
東郷示現流とは、島津家の臣である「東郷重位(1561~1643)」が創始。
東郷さんは、殿様のお供をしながら京都などで様々な流派を習いますが、もともと「タイ捨流(たいしゃ・りゅう)」という流派も修めていたらしく。
国に戻った時に、薩摩の御留流ともなる武術を考案し、生まれたのが・・・薩摩示現流で、こちらは東郷さんが作った流派なので、「東郷示現流」といいます。
さて私たちは、東郷示現流の道場の門を叩いて、一番初めに習うという「燕飛之太刀(えんぴのたち)」を習い覚えたのですが、これと同じ名前の組手が「柳生新陰流」にもございます。 (^_^;)
柳生流のそれは、燕飛・猿回(えんかい)・山陰(やまかげ)・月影(つきかげ)・浦波(うらは)・浮舟(うきぶね)と6個の技を繋げたもので、その組手を稽古している時には、息継ぎをする場所がそれぞれに決まっていて、仕手・打手共に3回しか呼吸をしないで行います。 (^_^;)
林先生は「柳生新陰流の剣術」を、大坪指方という方から直々に習ったのだそうですが、この方は・・・そちらの方面では大変に高名な方なのだそうで、当時の稽古風景が「ビデオで撮影されて、道場に残されて」います。 (^_^)v
その中で大坪氏が語っていますが・・・何でも、本当は飛燕の太刀に含まれる技の数も、もともとは「7つ」であったとか★
しかしながら、呼吸の方が大変に辛い事から・・・技の数を一つ減らして、現在の形になったのだそう。
はてさて、組手を作ったのは・・・上泉信綱本人であったのか、それとも柳生但馬守宗巌なのか・・・はたまた後に続く門人の誰かなのかは、私には判りませんが★
(こういう技って事実、後年になって、お弟子さんが組手を新らしく作ったという事も、なくはないらしい・・・★)
創った張本人はもしかして、これらの技を「7つ続ける事に意義があった(!)のに」と、あの世で泣いていたりしているのかも・・・(?) (-_-;)
●さて「東郷示現流」の方の「燕飛之太刀」は・・・取っ掛かりは結構、「柳生新陰流」のそれと似ています★
ただ、「柳生新陰流」は、決め手は「小手打ち」で、奥義は「合し(がっし)打ち」であるのに対し(!)
薩摩示現流の奥義は、示現流独特の「蜻蛉(とんぼ)の構え」から・・・袈裟斬りに打ち下ろす太刀筋で、この奥義を12回組み入れて「燕飛之太刀」は終わります。
これを会得する為に、東郷示現流では「立木打(たてぎうち)」という稽古をするそう。
蜻蛉の構えから、袈裟切りに立木を撃ち続けるそうで、その木の種類も・・・薩摩の方にある「柞(ゆす)の木」(これは堅くて、粘りのある木なのだそう★)、これを下の方の二尺(60センチ)ほどを土に埋めます。枠A青
そして稽古をする人は、走り寄って行って、「えい」の掛け声と共に、これまた「柞(ゆす)の木」の木刀で右に、左にと続けて・・・袈裟斬りに激しく打ち込みます!
間合いや手の内の締まり、腰の据わりや迅速な進退を身に付けるんだそうですが、かつての修行者は、朝に三千、夕に八千とか打って、稽古をしたんですって。 (^_^;)
そんだけやれには、気力・体力が、もんのすぐぉーーーーっくぅ、つくようにも思いますが・・・。 (゜_゜)
・・・って。ところで、薩摩示現流の掛け声ってのは、「えい」ですかっ!?
薩摩示現流と言えば、「ちぇすと!」
「ちぇすと!」と言えば、薩摩のこの流派の掛け声だと、何故だかずーーーっと、当たり前に思っていた・・・私だったんですが★
「え? ここに掛け声は、エイとあるけど、ちぇすと!ではないの・・・???」
●・・・気合声というのも、時代小説なんか読んでいれば、幾種類かあるようで。
「えい!」
と・・・これは一般的なモノですが、漢字で当て字をして「鋭(えい)」と読ませている小説もあります。
ちなみに、当・萬エッセイでご紹介をしている気合声で有名なのは、甲源一刀流の・・・コレ★
「とぉぉぉおぉおおおーーーーーっ…!!」
・・・これはもう、一度聞いたら忘れられないくらい(!)感慨深い気合声だと・・・私は、思っております・・・。 (^_^;)
・・・で、この耳に馴染んでいた(?)「ちぇすと!」という掛け声なんですが、まさか実存しない掛け声なのでしょぉか・・・???
●林先生に聞いてみると、「ちぇすと」という掛け声は、「薬丸自顕流」の方が言うらしい、との事。
それでも、「えい!」の方が主流で、「ちぇすと!」っていうのは、たまに言う程度のモノらしく、滅多に使わない掛け声なのだそうです・・・。 (-_-;)
薩摩の方言で言うと、「ちぇすと」は「さぁ、いこうぜ!」とか「やろうぜ!」といったような意味なのだそう・・・ですが★
まぁ、気合声としては内容的にも、合っていないとは・・・言えなくもないような気も致しますが。
そして聞くところによりますと、どちらかと言えば「ちぇすと!」というより、「ちぇ、ぇええええぇーーー一ぃっ!」と、聞こえるものらしい・・・。 (゜_゜)
●はてさて・・・話は戻りますが、現在薩摩示現流と呼ばれているのは、実は2種類あります。
「東郷示現流」と「薬丸自顕流」で、薬丸さんの方も、初太刀から勝負の全てを掛けて斬りつけるという、鋭い斬撃が特徴(!)なのだそうです。
・・・そして稽古には、やぱり柞(ゆす)の木を使いますが、東郷さんとは違って立木にはせず、腰の高さ位で「横に寝かした棒の束」を使用します。
これを蜻蛉(とんぼ)と呼ばれる構えから、「猿叫(!)」と呼ばれる独特の掛け声(例の、「ちぇ、ぇええええーーーぃっ!」という感じで)、左右に激しく打ち込むのだそうですが・・・こちらは「横木打ち」というのだそう。
●また拵えの方も、薩摩の刀は江戸とは違って、特徴があります。
まず普通の刀は、柄の長さは8寸、刀身の長さはその3倍の24寸くらいの大きさですが、薩摩刀の柄は鍔元から柄頭までが長く、それも手首から肘くらいまでの長さがあるとか。
また、薩摩でいう「蜻蛉の構え」とは、八双の構えをもっと高い位置で構えるようなものですが、東郷さんと薬丸さんでは、この構えも微妙に違います。
一説には、薬丸さんの方が、もともと土地伝来の流派であった処に、東郷重信さんが薩摩の土地で東郷示現流を創って、それを殿様が「御留流とした」のだ・・・という説もあれば。
東郷サンの高弟に「薬丸氏」という人がいて、その人が「薬丸自顕流」を起した・・・とか色々説は、あるのだそう★ (^_^;)
●私たちは、薬丸さんも東郷さんも、稽古をしてみました。
・・・いやぁ薬丸さんの方なんか、他のどんな流派よりも、やってて疲れます。 (-_-;)
「この流派は、活気があっていいなぁ~♡」
と、林邦史朗先生は1人喜んでおられましたが、特に・・・この今年の暑かった夏の日々で、クーラーのない武劇館での稽古はしんどかったです・・・★ (T_T)
ノリの悪い私なので、資料として、薬丸さんのビデオを見た日(!)には、正直言って稽古とはいえ。
「・・・こ、これをやるのか・・・」 (ーー;)
と、ものすごぉーーーっく、思いっきり引いてしまったりして★
薬丸さん独特の猿叫というのは、「ちぇ、ぇええええーーいぃっ!」というより。
「きゃーーーーーっ・・・」
・・・と、映像では男性がやっている(!)のに、私には女性の絶叫(!)のように、聞こえるんです・・・★
これをまた、叫びながら・・・打ち込む、打ち込む、打ち込む・・・。
これもまた、打ち込むというよりは・・・叩き込む、と言った方が近いか★ (^_^;)
稽古とはいえ、これをやるには勇気が要るのでした・・・。
・・・でも稽古なので、一応は・・・頑張って、己を捨てて(!)挑んでみました★
みんなでやれば、怖くない・・・っ!! (^0_0^)
来年の大河ドラマ「篤姫チーム」は、ロケに行っていますし、今年の「風林火山」の方は、この9月で無事にクランク・アップを致しました♡
本当に暑くて、長い夏でした・・・。 (^_^;)