刀の分類として、30センチ以下の長さの物を短刀としています。
そして「懐中に携える護身用の短刀」の事を、懐剣と呼びます。
・・・これは鍔の有る無しには関係がなく、ヤクザ映画で鞘無しのこれを持っていると、そこでは合口(匕首とも書きますが・あいくち)などとも呼ばれています。
さて侍は大小の刀を帯びていますが、その小刀の方を「小太刀(又は脇差)」と呼びます。
外では大小を携える侍も、登城する折でもどこでも、入り口で大刀の方は預けてしまいますので、室内では小刀しか帯びていません。
また甲冑の時代なら、太刀を履く(という言い方をします)前に襲われた場合を想定した体術(腰の廻りの術など)が今もあります。
さて小太刀の使い方をマスターしていれば、そこに鉤(かぎ)の使い方を足して、十手(じって)術にも応用ができます。
懐剣や小太刀は、逆手持ちと順手持ちどちらでも扱うため、片手で持ち変えるなどのテクニックがあります。
特に小太刀は、よく勉強をしておけば、いざという時には護身としても役に立つと林流では考えています。
・・・小太刀は真剣ですから、いつでも所持している訳にはいきません。 ですが、その技さえ身につけてあれば、例えば傘や雑誌、鞄などに持ち替えて、斬るを叩くに差し替えれば、その技は幾らでも応用が利くからです。
長い得物を相手にした時、相手の距離感(間合いと言います)では勝てませんから、何とか相手の懐に入る術を駆使して身を護るのがこれら、小物(小さい武器の総称)の醍醐味です。
ぜひとも、体得して戴きたいテクニックの宝庫です。
林邦史朗の編み出した稽古方法では、小物全般においても、林の編み出した殺陣のステップ「体捌きABC」を基に紡がれています。