エッセイ集

第41話 「合戦」はやっぱり、馬ですね☆~11月(2005年)

 振り返れば、毎年9~10月ってけっこう、多忙の時期にあたります・・・★
 大河ドラマの切れ目に当たります・・・この時期は、そしてまた有り難い事に「正月ドラマ特番★」なーんてのも入っていたもので、林邦史朗先生のプロダクションのメンバーは、「大河ドラマ組」「正月ドラマ組」に別れての・・・やれスタジオだわ、どこそこでロケだわと、文字通りにガンガンっに戦っていた訳ですよね。 (゜_゜ )

今回は、馬のお話です

 そんな訳で・・・私こと山野亜紀も、林邦史朗先生に代わっての・・・殺陣代理講師の仕事の嵐が吹き荒れる中を、地元・東京を必死に守っておりました★ (^_^;)
 ・・・皆様、この暑~い夏と、急にやってきた秋を只今、どう迎えていらっしゃいますか?

 急に秋めいてきてしまったせいか、私の母などはしきりに感傷的になっておりますが、私的には取り敢えず・・・肉体的は処では、元気一杯!
 そして精神的にはギリギリ、なんとか「かろうじてクリア~♪」を繰り返していた2ヶ月間でございました・・・。 (^0_0^)

●何しろ、実家の会社が・・・この8月に(!)決算を向かえていたのです★

 前期に扱った「請求書」に「領収書」を束ねたり、銀行関係の書類は全てをチェック
 総勘定元帳を綴じに掛かる為に、PC内にある帳簿データを全て、プリント・アウト。
 税金関係など・・・それぞれに提出する書類を、私は1人でシコシコと・・・作っていきます・・・。

会社のある小金井市★

 末調整の書類も、確定申告の書類も我が社では全て、私1人で作ります。 (^_^)/
 ・・・そして、ちょっとウッカリしていたんですが、今年は2年に1度「取締役の役員登記をする年」でした。
 書類を登記所に持って行く分、作業量が幾ばくか増えるのですね。 (+_+)
 ・・・ちなみに小金井市には、「税務署」はありませんし、「都税事務所」や「登記所」もないんですっ。(株式会社って決算期には、この他、役所にも書類を提出します★)
 ・・・これに比べれば、何でも一つ所に全部揃ってる処って、便利で良いですね~☆

●・・・さて、タイトルに戻りましょう!いよいよ、馬のお話です。

よくある、乗馬クラブのパンフレットの写真

 まず「乗馬」といいますと、世間さまでは「優雅な趣味・・・☆」と言われているようです。
 乗馬のパンフレットなど見ていても、たいてい黒い乗馬帽を被った髪の長いお嬢さんなどが、優雅に馬を闊歩させている・・・そんな姿が多いようですね。 (^_^;)

 もう随分前になりますが、知り合いが、相模湖か何かの「ピクニックランドで当った♪」とかで、千葉の乗馬クラブで2日間、乗馬体験をした事がありました。
 車で現場まで通い、まずは午前中に1鞍(クラブによって、それぞれ時間が違うのですが、こちらでは30分)。午後にもう1鞍乗って、その日のレッスンは終了です。

馬場によっても、色々違うようですね★

 体験なので、乗馬ハンドブックなるものと、乗馬手袋を買わされて、しめて8千円位でしたでしょうか・・・?
 4鞍までは無料で、それ以上進みたければ「チケットを買って、乗って下さいね♪☆♪☆」というシステム。 
 東京から通うとなると、成田に近いその場所は、ちょーっと・・・余りにも遠かったです★ (+_+)
 ・・・やっぱり、乗馬クラブは高価な処
 高貴な趣味と言われましても・・・納得はしますが、優雅というのは、ちょっと違うぞぉーーー・・・というのが、私の思いです。 (^^;)

●私にとっての乗馬とは、とにもかくにも、体力と根気と勇気で勝負(!)

 股関節をバキバキにいわせながら、って・・・実はワタクシ★ 
 林先生が企画して下さった乗馬教室に参加をしてみて、やれ落馬(!)はするわ、放馬(落馬の際、手綱から手を離してしまったので、馬が勝手に駆け出してしまう事)はするわで、とにかく林先生の乗馬指導というのは、この時はすんごい(!)スパルタだったのでありました・・・っ。 (´。`)

当時の乗馬の稽古風景。私が手前で、左のランニング姿が林先生

 林先生のプロダクションのメンバーにとって、馬に乗れる事は「正規会員の最低条件!」なんだそう。
 ですから、日数をかけず(つまりは、お金を掛けずに)上達をさせる為に。
 ・・・まぁ林先生は、ムチを片手(!)に私たちを追っかけまわして下さるのですよ・・・★
 「落馬をした」ら何しろ、「大丈夫?」ではなくってすぐに(馬に)乗れっっ!!」・・・というのが、合言葉☆
 落ちたままにしておくと怖くなってしまって、二度と乗れなくなってしまうからなのだそうです★
 ・・・とにかく乗馬に行く時には、傷薬(バンドエイドとか★)と、エアーサロンパスとサロンパスは欠かせません。 (T_T)

●例えば、殺陣の芝居が求められる役者さんには、「殺陣の特訓」があるように。
 乗馬が必要な役処の役者さんには、乗馬のレッスン(ちなみに費用は、番組持ち)が義務付けられます。

 乗馬クラブと言えば、ブリティッシュウエスタンに分かれるのですが、両者の違いはまずは鞍の形が違う!」事にあります。
 「ブリティッシュ」とは英国式のことで、乗馬帽をかぶっての・・・ブーツ姿で、高貴っぽいカタログがよくありますよね。
 それとは違って「ウエスタン」は、西部劇みたいなテンガロンハットをかぶった男性のパンフレットが多いのでしょうか。

こちらは、よくあるブリティッシュの鞍

 ブリティッシュよりはウェスタンの方が、鞍的に言えば乗り易いとか聞きますが、乗馬レッスンはどちらも似たようなものです。
 ・・・まずは馬になれる為に「乗馬体操」に始まって「並足」を何鞍とか。
 乗馬クラブによっても、値段も・・・かける鞍数(そして1鞍の時間)の数も違います。
 それから・・・駆け足にあたる「軽速足」を何鞍、「速足」を何鞍・・・とはいいながら、余程有名な役者さん以外は、馬に乗れる方が「乗馬を必要とされる役」に振り当てられるのがフツウなんだそう
 ・・・林先生のプロダクションのメンバーは、基本的に馬に乗れて当り前なので、そこから外れる人達は(交通費・宿泊費を節約する為に)連れ立って、乗馬クラブへと稽古に旅立ちます。

●勿論、東京にも乗馬クラブは幾つか(お金に糸目を付けなければ)ありますが★

 それよりも、「殺陣に必要な乗馬方法を禁じている乗馬クラブ」の方が多いので、そこに余りこだわらない乗馬クラブを紹介してもらって習いに行くのですね。

 1. 乗馬の折には、手綱は両手で持つ。
 2. 乗馬中は、乗馬帽をかぶる。
 3. 乗馬の際は、乗馬用のブーツを履く。
 4. 急発進・急停止を、馬にはさせないで下さい。・・・などなど★

こちらが、ウエスタン鞍です。上の写真と、見比べてみて下さいね!

 乗馬クラブには、こういったお約束があるのですが・・・例えば侍が両手で手綱を持っていては、弓を引いたり、馬上で刀を持っての立ち廻りなんかは出来ませんよね・・・。(-_-;)
 私も実は、片手手綱の方がトクイです♡
 ・・・でも乗馬って、ホントに慣れない動作なのでスパルタ教育を受けていると下半身が1日でバキバキになります・・・★

 なにしろ馬は図体が大きい(!)ので、上下運動も(!)大きいんです。
 そこに鞍を乗せる訳ですが、乗っている・・・こちらの方が馬の反動(つまり、上下運動★)に合わせてあげないと、鞍で馬の体を痛めてしまうのですね・・・★
 靴ズレならぬ、鞍ズレ(!)が出来てしまうからで、それを免れる為に・・・人は何をするのかと言えば!
 「軽速足の稽古の場合」は、簡単に言えば・・・馬の上で、立ったり座ったりを繰り返します・・・!
 馬の上下運動に合わせて、反動を抜いてあげるのですね。
 それに対して、「速足の稽古の場合」ならスピードも速くなりますから、逆に馬の上下運動に合わせて腰を前後にスライドをさせます。

●ちなみに、この軽速足という動きは、本来「日本原産の馬にはない動き」なのだそうです。

与那国馬は120センチくらいの身長なので、丁度、ポニー(肩までの高さが147cm以下の馬の総称)くらいの大きさだそう

 何故って、日本原産の馬は、サラブレットのように大きくありませんから。
 木曽馬や、琉球馬など見た事がある方には、お判りでしょうか。
 馬体が小さいので、風太郎シリーズ(侍の所作を紹介した山野が手掛けた小説★)でもご紹介しておりますが、玄関先などに設置されてある馬乗り石にヒョイと乗って馬にすぐ、乗り移れたのです。
 ・・・ところがサラブレッドの場合は、鐙(あぶみ)を片方伸ばして、それに足を掛けて騎乗をするのですが・・・戦国の頃は、そんな事をしなくても十分に騎乗が出来たのですね☆

●そして、戦場で乗り回す馬ですから・・・ちょっとした事でビクついたり、怯えたりするような馬では戦には行けません(!)

 気の荒い、噛み付いたりする馬好まれたんだそうです
 ・・・現在でもよく、尻尾にリボンが付いていたり、鬣(たてがみ)にリボンが付いている馬が居るそうですが・・・そんな馬は、要注意!!
 「蹴りクセ」「噛み付きクセ」のある馬の、目印なのですって★
 ・・・ですが撮影では、そんな馬は使えません(!)

 また、よく馬が後ろ足で立っているシーンを、映画などで見かけますが・・・あれは、馬にとっては自然な姿ではないのですって。
 人が調教して、初めてあの姿になれるのだそうで・・・。 (^_^;)
 まぁ、力ずくで出来ない事はないらしいのですが、現場ではその姿を「ウィリー」と呼んでいるようです☆

今は休園中の「日光ウエスタン村」で、おっかなびっくり馬に乗っている、若き日の私・・・★

 それにしても、馬達ってタフ・・・★
 ダーッ・・・と走ったかと思うと、もう足元の草を(また現場が、牧草地だったものですから)ハミハミして食べているんです・・・。
 人間だったら、はぁはぁはぁ・・・となる所でしょうが、ぜーんぜん大丈夫なのですね。       
 それにしても、大人しい馬達でしたが、あぁでないと撮影には使えないのでしょうね。
 躾も大変だそうすが、そういった馬達を揃えるのも大変(!)なんです。
 スタッフの中には、馬担当の方がいらっしゃるそうで、ロケの前にはまず、馬を探しに行くのだとか・・・でさて、馬の話は次に続きます。 (^。^)y-.。o○

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