エッセイ集

第31話 あそこへ行きたい!~12月・後篇(2004年)

 年の瀬も押し詰まり、世間様は雪・・・。 
 この度も、しみじみとしたリアルな時候の挨拶ですよね・・・。 (^_^;)
 大掃除も、今日ばかりは大物(窓ガラスとか★)は先送りにして、電子レンジの掃除であるとか、台所の下の棚整理にでも没頭しよう・・・とか思いつつも、エッセイの方もシコシコと、したためている・・・私こと山野亜紀です★

雪の降り積もっている様子

 さて、今年の殺陣の稽古納めは12月22日(注:2004年当時★)の水曜日。
 この日に、殺陣の昇段審査が行なわれました!
 ・・・って、実は私って、昇段審査を受けた経験が、ございませんでした★  (-_-;)
 何故って、・・・実は今まで、そんなイベントはあんまり催されていなかったからなんです(!)
 でも今回は、バッチリ初段弐段の試験に合格をしました。(注:2004年当時★)
 ・・・この程度の実力があると言われてはいても、実際に試験を受けて、タイトルを獲得するというのは実に清々しいものがあります。 (^^♪

●さて実は、このHPを通して・・・稽古場に来られた人の数も、とうとう30人を突破(!)しましたっ♡

 もう今ではいちいち数えていませんが、何と(!)宮城県は仙台から体験稽古に来られた方もいらっしゃるんです♡
 ・・・東京見物の傍ら、ジャージ・トレパン姿でいらしたユキさん(仮名)。
 良い年の瀬を、迎えていらっしゃいますか? (^_^)v
 役者志望の方はもちろん、役者を生業にしている方にOLさん、そしてボクサーに至るまで、ほんっとーにっ、様々な方々に来て戴きまして、まことにありがとうございます☆

母が生けてくれた庭の南天と、戴いたカニサボテン

 HPの来客数の方も地道に、1万5千人を突破しましたっ!
 こんな地味でコアなHPに、こんなに来て戴けるなんて嬉しいです♡
 ・・・家内制手工業のように、私こと山野亜紀が手作りでお送りしているこのサイトですが、世間様では林邦史朗先生のHP(注:2008年より、はわゆHPと林邦史朗のHPと別建てになりましたが、この当時はまだコレ1本でした★)と呼ばれているようで、実はあんまり自分でもまだ自分のHPというイメージはなかったりして…。 (^_^;)

 最近ではNHKの制作の方が、林先生の取材の下調べに・・・であるとか。 
 新番組を作成する為の資料として、このサイトは紐解かれる事もあるようですし、2005年には、林先生は子供番組にも出没する予定ですし(注:「からだであそぼ」に出演☆)みなさま、楽しみに待っていて下さいね。 (^_-)-

●・・・さて。

 「殺陣の初段」でもお伝えしておりますが、殺陣のライセンスとは殺陣やアクションの仕事が出来る資格・・・と、林邦史朗先生は考えておられます。
 今回の昇段審査では、「現代アクション18ヶ条」をお芝居形式にしたものと。
 刀法の基本として、「10本組手」が行なわれました。

 「現代アクション18か条」とは、現代劇の殴り合いの基本の初歩の初歩☆
 現代アクションの基礎つまり、アクションとリアクションの基本★)と言う事で、まず初めにいかに☆派手☆でカッコよく、且つ安全★に行なえるか・・・というのがテクニックでして、そこを会得していかなければ、その役者さんはアクションを演じる資格がないと言っていい(!)と林先生は考えておられます。

 ・・・何しろ、自分勝手に殴ってしまって、当たっちゃったら「ゴメンねで済まない」のがプロ・・・という処。 (´。`)

 もちろん、上記のアクション・18手だけで(!)現代アクションの全てが補えるわけでは・・・ありませんが、この稽古での経験からどうしたら危なくなくしかも当たったように見えるのか・・・などの基本を学べます(!)
 つまり、色々な場面での応用が利くようになるのです♡
 カメラや客席を意識しての・・・立ち位置を意識する事が、とてもたくさんのテクニックへと繋がっていきます。
 ・・・そしてそれは、アクション以外にも応用が利くのですね。 (^_-)-☆

●・・・そしてお待ちかねの「10本組手」。

 このたった10本の組手の中に、あらゆる刀法における立ち廻りの基本(!)が一杯詰まっているのです。
 それがなかなか、初心者に伝わらないのが『殺陣代理講師』としては、辛いところ。

刀法10本組手が収録されているのは、このDVDです!

 例えば、1本目の稽古をして次に、2本目の稽古をしたとします。(「10本組手」という名前の通り、稽古様式が10通りあります)
 その後で、もう一度・・・1本目の手をさらってみて、1本目の超(!)大事なポイントを、忘却!!していたりするのです・・・。
 あんっなに大事だって、私は言ってなかったか~~~いっっ!!!
 ・・・そうは思いますが、講師の立場としては、これ位の事で逆上をしていては・・・★★★ (-"-)
 という事で、さり気なく笑顔で釘を刺してから、根気よく稽古を行っていくのがベストな方法☆ 
 ・・・講師って、ホンッとに忍耐と同意語(!)だと、思っていたりするんですね・・・。(それでもたまに、怒ってしまう事もあるけれど★) (^_^;)

●ちなみに、弐段の昇段試験の科目は、「空手初級の型」と「上級の型」。
 そして琉球古武術を知ってらっしゃる方にはお馴染みの、「棒10本組手」と「15本組手」で試験が行われていきます。

棒術は、こちらのDVDに収録されています

 ・・・とは、いいながら(!)
 実は林先生、もともとある「棒の10本組手(詳しくは、「棍術10本組手」)に、宮本武蔵で有名な・・・二天一流の「太刀合棒」を参考に、2本も増やしてしまったので、今では2本組手」になっていますし(!)
 「15本組手」の方も、本物は・・・。
 互いに下段を突き合う処で終了だったのに、もうチョイ、手を増やしてしまって、カッコ良くしてしまっての・・・「林流・15本組手」となっています♡

  このHPを見て通い始めた方も、9ヶ月の稽古を経て何とか、初段に合格をしました♡
 ・・・林先生の審査の対象は、たとえ手を忘れたとしても(もちろん、きっちりと覚えて行なうことは大事なのですが)相手に怪我をさせない事・・・そして!
 何か殺陣師が注文をした時に、それを「意識出来ること」であったようで、先生曰くは「それが出来なければ、プロとは言えません」・・・との事でした。

●さて「現代アクション18ヶ条」は勿論、「刀法10本組手」も、そして実際の武道でも、林流での基本のステップは、体捌きABC」です!

 前回のエッセイでも、軽くは説明をしましたが、体捌きAとは、「入見(いりみ)と半身(はんみ)」のステップ、Bは「A+回転を加えたステップ」です。
 そして、「重心の移動」と来て、左右併せて30手からなるステップの稽古です。

これが、足がパーの自然体

「体捌きA」は、自然体から1歩足を動かすだけ(!)の動作です。
 ・・・ちなみに、この自然体とは(!)
 私はよく「足がパーです(写真右・参照)」と説明をしますが、肩幅程度に足を開いて立った状態の事を言います。
 そして「体捌きB」はそこに、回転を加えていくのですが★
 この回転が、とーーーっても大事・・・っ!!
 回転の最中「相手との距離(間合い)」を取ったり、はたまた相手と入れ替わったりするステップへと変化(!)をする訳です。
 そして回転の終わりには、自分が決められた位置へと移動(!)をする訳ですが、ここで回っている内に自分の立ち位置を違(たが)えてしまうようでは、役者さんとは言えません。 (-_-;)

●役者さんには、「立ち位置」というものがあります。

距離感を覚えるために、「縦に歩いて何歩」とか数えて覚えたりします♡

 立ち位置に合わせて、舞台で言ったら照明を合わせたり、テレビは勿論、カメラ(林先生は、「キャメラと発音をしている★」ので、私も実は真似をしている・・・☆)の位置までも決まってしまいます。
 ですから、特にテレビの場合には、キャメラの向いてない場所でいくら演技をしてみても、「映っていないという大(!)事態」を引き起こしてしまうので・・・立ち位置というのは、実はとーっても大切なものなんです・・・っ!

 そんな『立ち位置』の意識から、日本古来から伝わる武道の基本、そして方向感覚に至るまで。
 それら全てを意識して稽古できる、基本中の基本。
 それが『体捌きABC』…なんです★

ぼた雪、すごいわ~♪

 ・・・でも稽古内容は、とってもっ、ヒジョーにジミィー・・・。 (^^ゞ
 なんですが(!)
 それでも、その基本を心得た後で、実際に立ち廻りを使って説明をしたりしますと、ほぉ、なるほどぉ・・・と、その確かさを、身を以って門下生それぞれが実感をしているようです・・・。
 そうよ、大事なのよ・・・★
 などと・・・心の中で囁きつつ、2004年ももう暮れようとしております・・・。
 2005年が皆様の飛躍の年となりますように、勿論私も頑張ります。
 ・・・それでは、ボタ雪の振りまくる東京は小金井市からお送り致しました。
 みなさま、良いお年をお迎え下さいませ。    

山野亜紀エッセイ・目次は、こちら!

関連記事

  1. 山野亜紀のエッセイ集とは?
  2. 第51話 NHKハイビジョン「アインシュタインの眼」!~12月(…
  3. 第十話 近ぅ参れ(摺り足)
  4. 第3話 お江戸の作法日記・始末記~4月(2003年)
  5. 第25話 病み上がりの私・・・~8月・後篇(2004年)
  6. 第60話 NHKは「ディープピープル」!~6月(2011年)
  7. 第7話 甲源一刀流・最終話 その伝統と技~6月(2003年) 
  8. 第26話 仕事に、好奇心☆~9月(2004年)
PAGE TOP