突けば槍、払えば薙刀、打てば太刀と言われ、この三つの武器を相合して編み出されたのが「杖道」だと言われています。
この杖術を創始したのは、天真正伝香取神道流の7代目、夢想権之助勝吉で、鹿島神流の奥義も究め「一の太刀の極意を授かった人物だ」と伝えられています。
それまで、どんな剣客と試合をしても一度も負けなかった権之助が初めて宮本武蔵に敗れ、以降工夫専心して編み出したと言われるのが、こちらの杖術です。
林は2003年にNHK大河で「武蔵の殺陣」を担当した折に、夢想権之助の登場に先立ち、こちらの杖術を稽古に組み入れました。
神道夢想流杖道之形64本より、判りやすいとされた12本は、全剣連杖道委員会において制定をされたものです。
さて全剣連で扱う杖ですが、長さ4尺2寸1分(128センチ)で、直径8分(2.4センチ)と定められています。
ですが、元々は体格に併せて操作がし易いようにと、おおよその長さで行われていたようです。
・・・これは、操る本人が両腕を広げた長さ(一尋・ひとひろ)が、本来は良とされていたとか。
林はその後、自分なりに工夫をこらして「林流杖の型」も創作しました。
全剣連での杖の基本の使い方はもちろん、形に至るまでを林は記しておりますが、杖道を愛する皆さまもぜひ林流の解釈をお楽しみ下さい。
こちらの杖術につきましては、林創始の殺陣のステップ「体捌きABC」を通して纏められています。