刀剣を扱う立ち廻りを振り付けるうちに、体術を本格的に習いたいと考えるようになったとは林の著書「林流足裏呼吸法(マガジンハウス刊)」にあります。
また、当時はアクションメンバー内で受身が上手く取れずに、腰を痛める者もいたからだとも林からは聞いています。
そこで林は、世界的に有名な・・・当時は代々木にあったという養神館合気道場の門を叩き、塩田剛三先生(師匠筋紹介・参照)」より直接、合気道の手ほどきを受けます。
塩田先生は当時、警視庁に合気道の指導に行かれていたそうで、いつも随行していた小幡利城氏が林のプロダクションに所属したのを機に、小幡氏から合気道を習うようになったのだと著書にあります。
これは林がよく言っていた言葉ですが、合気道の受身を会得していれば、腰を痛めることもなく、華麗な受身が取れるようになり・・・すると気構えが出来るのか、技の上達までも早くなるという事です。
「剣の動きを身体に活かした技法の多い合気道」は、剣道や柔道、空手よりも立ち廻りに役立つと、かなりな頻度で林は稽古に取り入れ、基本はもちろんの事、独自の稽古方法を編み出しました。
この「合気道や柔術の技法をヒント」に、林は「林流忍者体術」や、1983年には「林流護身術」を編み出し、こちらは1991年に国際護身術振興会を設立するまでになります。
さて1999年、林は前立腺がんを患ったのを機に太極拳を学び直す事を決意します。
これを切っ掛けに、更に両者に工夫を凝らして林は体術を進化させていきました。
・・・とは言え、演武を想定した殺陣の技法的観点から発足した林流合気道です。
門下生が皆、技を覚えやすいように、また技を繋げるなどして、楽しく遊びながら学べるよう工夫がありますが、全ての合気道を愛する方々にも、一度見て戴ければ「なるほど、そんな見方(考え方)もあるのだな」と楽しんで戴けましたなら幸いです。
林邦史朗の編み出した稽古方法、林流合気道は、林の編み出した殺陣のステップ「体捌きABC」を基に紡がれています。