林邦史朗は、NHK大河ドラマを筆頭に50年以上もの長きに渡り「殺陣・武術指導」として活躍をし続けた人物です。
まだ日本には「スタントマン」という言葉すらなかった時代から「スタント集団(若駒冒険グループ)」を結集。
亡くなる一月ほど前まで、生涯を現役で・・・殺陣師としても武術家としても。
そして、役者としても邁進をし続けた、この業界のパイオニアでした。
生前は、その長きに渡る芸能生活の中で「殺陣やアクション」はもちろんの事。
馬術や弓術、忍術など、あらゆる伝統武術の研究を続けて来ました。
そんな・・・林邦史朗がよく好んだのは「脱力」という言葉でした。
余分な力を抜き、身体の軸・・・つまり「鼻とヘソ下の丹田にいたる中心線」をぶらさず、深い呼吸をする事で芝居(殺陣は芝居の表現テクニックの一つ)はもちろん、武術にしても技の上達など、全てに繋がる・・・というのが持論でした。
緊張で硬くした身体では、ちょっとした事でケガの要因になる可能性があります。
ですが、リラックスして緩んだ身体(そして心)で臨めば、あらゆる事に柔軟に対応出来るのではないでしょうか。
ましてや、立ち廻りに力など必要ないのです。
ならば、稽古の前に準備すべきは、これから始まるメニューを効率よくこなし、吸収するためのコンディショニング。
つまりは、身体を(心を)ほぐす事だ・・・と林邦史朗は考えるようになり、侍の技を取り入れた独自の健康体操を編み出しました。
この体操は、無理せず心地よく、自分の動ける範囲で行う事をモットーとしています。
無理をすれば身体は緊張し、頑張ろうとすれば苦行になって、けして心地よくは行えません。
ラクに出来る程度でも、続けていけば振り幅や柔軟さが増して身もこなれ。
初めは身体が硬かった人でも、いずれは柔らかくなり、疲労も溜めにくい身体となって、ケガをする要因も減ることに繋がります。
このHPでは、林邦史朗の研究成果や稽古様式の目録を公開し、映像や文献などを整理した上で必要な方には有償で申し受け、後世に伝える事を目的の一つとしています。